2017/06/12

「隣のTさん」・・・旧ブログより移転

  「隣のTさん」                  平成9年5月18日 

 世の中には、何とも説明出来ない不思議なめぐりあわせがある。

 自遊人が70数年前この世に生を受けたのが、都心に程近い杉並区堀之内。
以来新婚初々しい美青年時代もやはり同じ生誕の地。

 その住まいの端に大きな桜の木。この桜には毎年苦しめられた、桜花爛漫どころかガクが降り注ぎ屋根のトヨはすぐつまりそのたびに屋根に上りトヨ掃除、秋も同じ作業の繰り返し。
隣からもクレーム、隣は丁度父親と同時に定年退職したТさん。

 今の本拠地柏の自宅前には小学校の大きな桜、隣の住人もこれまたТさん、それも自遊人と同時に定年退職。

 自遊人の寝室は二階の8畳、廊下を隔てた隣は数年前まで娘夫婦の寝室、なんと娘夫婦の姓はТ。従って我が家の表札は自遊人とТ。

  新入社員時代の最初の勤務地は新橋御成門、隣の席は女子のТさん、十数年後靖国九段南ビル隣の席の管理職はТさん、婿のТ氏の勤務地は隣のトヨタ九段ビル。

1年ほど勤務した東北仙台の時も隣にТさん。

なんとも理屈では説明出来ない不思議なめぐりあわせである。
まさか菩提寺の墓の隣がТさんになるなんてことは・・・・!
 
格言:人と与(とも)にするには備わらんことを求めず・・・書経
(2010、10、1旧ブログ投稿記事)

2017/06/10

「台風一過」・・・旧ブログより移転

 「台風一過」                    平成12年7月16日 

 先週、関東付近を雨台風が通過、ドーム下の小川は何時もは綺麗なせせらぎだが、この日はとうとうと流れる濁流、三本組の丸木橋も流され、近づくことも出来ない有り様。

 長時間降り続いた雨の影響で多分水嵩も増している筈と、野次馬根性的に滝見物に。

 数年前も御世話になった方々と台風一過、日本3名瀑と言われている袋田の暴れ滝に感動したことがあったが、今回の滝はそれを数段上回る凄さ、水飛沫で展望台の欄干にはとても近づけず、その凄さに声も出ず。

 更に上流にあり「裏見の滝」とも言われ、滝の内側に入れる「月待ちの滝」にも行ってみたが、ここも水量が多く飛沫が凄いためとても裏にはいることが出来ず引き返し。

 翌日、台風一過の海岸なら流木等の自然の芸術品もある筈とドームから1時間程の那珂湊近くの海岸へ、やはり思惑通り丸太と芸術的な形をした根っ子を数点収穫。

 さらに海岸線をドライブ、阿字が浦海岸近くにいくと数百メートルに渡り黒々と荒波に根こそぎはぎ取られた海草の帯。

 収穫している人に聞くと「スーパーでも売っているメカブを採っているのです、まだ海につかっているか打ち上げられたばかりの濡れているのを根本だけ切り落としているです」と。

 当然自遊人も参加、車から常備品の山菜刀と袋を持ち出し、採るのにおもしろくなりダンボール2箱、ドームに帰り細くきざみ熱湯をかけ醤油少々で味見、これは抜群。

 夜は久し振りにドームの真ん中に布団を敷、横になると、なんと透明な天井から満天の星空、寝ながら宇宙の神秘に思いを馳せた。

 今回の台風は色々な土産と感動をもたらしてくれた。
 格言:君子は修身の憂いあるも、一朝の憂いなきなり・・・孟子
 (2009、9、5旧ブログ投稿記事)
2017/06/08

「セミ時雨」・・・旧ブログより移転

 「蝉時雨」                    平成12年8月13日 

 暦の立秋を過ぎても緑一段と濃く真夏。男の隠れ家ピースドーム(奥久慈)は炎天下を避ければ爽やかな避暑地だがドームハウス内は涼しく快適に過ごせるのは午前10時頃まで、円形の為屋根全体に当たる日差しは内部の温度を上昇させ外の日陰へ逃げ出す始末。

 月に1度は来る都会の若者達もドーム内が暑くなると近くのセセラギで水遊び、浅い清らかな清流の所々に深さ2m程の淵もあり、日頃技術論等を闘わしているで有ろう若者も水中眼鏡にモリを持ち、カジカ、ハヤ、鰻等を追いかけ回して童心にかえったよう。

 先月、非コメを頂いた「・・最近庭の木では蝉が鳴きませんがそちらはいかがですか?・・・原因はヒヨドリです。今朝も一匹、鳴き始めた瞬間に目にもとまらない早さであらわれたヒヨドリが口にくわえます。

・・・カラスが増えた事がヒヨドリの餌を奪った事もあろうし、木が少なくなったことで虫が減少して、夏場の餌の少ない時期に蝉を食べることをヒヨドリが学習したのではないかとも想像す・・・」とのメールを戴いて柏の本宅で注意深く観察していると確かに先月は鳴き声は非常に少なく、やっと8月に入って「蝉時雨」と感じられるようになった。

 柏の木々には蝉の脱け殻がそこかしこに、蝉は脱皮の間は動くことが出来ないのでその時間(約10時間)が最も危険な時。

 蝉は地下で7年以上も過ごし、鳥が活動出来ない夜の間に脱皮してしまおうと前日の夕方に地上に出て安全な所に辿り着き早朝に脱皮し鳥の活動の前に飛び立つ、幼虫にこのような本能があるとは誠に驚き。

 炎天下の奥久慈での「蝉時雨」も幼虫の本能を考えると煩いというより爽やかさを感じるから不思議。

 文献には夏のこの時期は土気がさかんで暑熱もはなはだしいうえに、地気も一変するので土いじりを禁じているとのこと。

 「文献に書かれている」と、不精を決め込み、昼寝でもして、夜は万葉集にもあるように「暑くなったら痩せてしまうから鰻でも食べる」・・とするか!

 格言:楽しみは極(きわ)むべからず・・礼記
 (2009、8、14旧ブログ投稿記事)
2017/06/03

「柿」・・・旧ブログより移転

 「柿」                  平成10年11月8日   

 柿は果樹の中で最も古く、その種は縄文遺跡からも出土している。

  自遊人の生まれた東京杉並環状7号線沿いの家は柿の木が5本、蜂屋、富有、次郎、百目等、当然7人兄弟の遊び場でもあり、秋の収穫は何よりの御馳走。

 戦後飢えを凌いでくれた柿も、母親一人になると、ある時期から高いところの実は収穫出来ず、秋に柿が色づき始めると、収穫してくれと電話コール、毎週実家で柿取り。

 結婚したての頃は実家の庭先で生活していたので、奥方も秋が楽しみ、東北では甘柿が無いとのこと。この味が忘れられず、引っ越した先々では先ず柿の植えつけ、柏の本宅も今では太さ20センチ程の大木。娘が購入したものだが味は抜群。

 奥久慈ドームハウス近くの農家はたわわな実は殆ど鳥の餌か落ちるに任せている、住人は年をとり、収穫が出来ない、どうぞお持ち下さいと!

 前に果実が成らないと木に刃物で傷を付けて「成らないと切ってしまうぞ」と呪文を唱えると書いた事があるが、ドーム近くのご長老に聞くと柿の木にも「成木責め」と言う呪いがあるとの事。小正月頃幹をナタで叩いて傷をつけ、木を責めることによってその霊を奮いおこして、多く成らせようとするのだと。

 ものの本によると、柿は東アジア温帯固有の果樹で日本の固有の種類もあるが、一般的なのは揚子江流域に野性し日本に輸入されて古くから栽培されたとある。

 「柿が赤くなれば医者が青く成る」「夜柿を食べると冷え性になる」色々な諺が言われているが、果物辞典には柿は果肉には糖分、タンニン、ペクチン又ビタミンA,Cがリンゴの5百倍も含まれており栄養満点な食べ物とのこと。しかし柿を食べると体が冷えるので、発熱や二日酔いにはいいが、リュウマチ、神経痛など冷えることで起こる病気には食べない方が良いとも書かれている。

 教訓:雑感で得た知識は消化しなければむしろ有害である。
 (旧ブログ2008、1,2旧ブログ投稿記事)
  
2017/05/28

紅サシ・・・旧ブログより移転

 「紅サシ」               平成12年3月5日
 
3月1日渓流釣りが一部解禁となった。テレビでは早春を思わせる釣り人の姿。
「キジ、シロサシ、紅サシ」この言葉がすぐに判ると相当な釣りキチか虫嫌い。

キジは黄色い血を流すミミズ、サシは蛆虫のこと。これは奥久慈での渓流遊びの必需虫、ドームハウス下の幅1メートル深さ15センチ、所々に深みのあるセセラギは放流した山女魚がいるがこの魚は人見知りが激しくもう少し修行してからと思っている。

 5分程の川幅5~6m程の渓流は橋の上からでもハヤが群れをなしているのが良く見える、1m程の深さの小石の色や形も良く判り、水の有無を感じさせない程鮮明な透明度。毎年鮎と鰻を放流していると漁業組合員、ドームハウスに来る若者達は川遊び、ひと遊び後にはそこの住人?のハヤ、カジカ、ナマズ、のからあげが腹の中。

 川釣りなど数十年ぶり、大昔を思い出し川釣り再挑戦を始めた頃は釣り餌に思考錯誤、前から予定しているときは釣り具やでハヤ用のサシを購入してくるが、釣りから帰る際には余ったサシは川にまいて来る。ところが不意に行きたくなったときには餌に一苦労、数十年前の川釣りを思い出し小麦粉に卵の黄身を混ぜたり、マッシュポテトを味の素でこねたり色々テストしたが練り餌はほとんど駄目。

 ある時翌日も渓流釣りをと思い余ったサシを冷蔵庫に保管、ところが都合が出来て柏本宅へ帰還、冷蔵庫のサシなどすっかり記憶の外、2週間振りに冷蔵庫を開けるとなんとサシが冬眠状態、今では気が向いた時には即渓流釣りに餌は何時も冷蔵庫の中。

 奥方には絶対餌箱を開けないように、多分開けたらおが屑の中でウヨウヨしている蛆虫にびっくりして強烈な一言が予想され、冷蔵庫の使用を禁止、好きな時に出来る釣りが制限される筈、そうなると自遊人といえどもストレスが溜まりそう。

 白サシは名の通り白い蛆虫そのもの、紅サシは白サシに紅色をつけたもの、色がつくと蛆虫も何となく可愛らしくなるから不思議、紅色の可愛らしい方が多少釣果がいいのも不思議。サシが無い時は塵の底からキジを採取、細かく刻んでハヤの餌。

 格言:但(たん)は大ならんことを欲し、心は小ならんことを欲す・・・近思録
 (2008、3、7旧ブログ投稿記事)